2019年9月某日の20時頃に訪ねた。
乃木坂駅からは徒歩10分ほど。麻布エリアの一画にある「最上 西麻布」。

路面店なので分かりやすい。
清潔感があって明るい店内にはカウンターに先客5名ほど。
個室席には数名。
カウンター席に2人で座る。この日は天ぷらと寿司が味わえる「特上 季節のおまかせコース」¥10,000をお願いしてあったのでそちらで。
「生ビール」¥1,000を飲んで喉を潤す。

しじみの一番だし:まずはしじみの旨味を味わう。澄んだダシで臭みは一切感じない。良い味。

雲丹豆腐、鴨ロース、ハスイモのみぞれ和え:八寸が提供される。それぞれ良いつまみ。個人的には鴨ロースの味が気に入った。同席者はハスイモのみぞれ和えが良かったとのこと。ウニ豆腐にもイクラがたっぷりかかっており、実に美味。

鱧、赤海老の昆布締め:雲丹を抱いた鱧と赤海老。どちらも良いが、赤海老のネットリとした食感と旨味が良かった。

出汁巻の天麩羅:天ぷらがいくつか提供される。まずは、出汁巻。なかなかの変化球だが、面白い味。白ワインと共に味わう。


イチヂクの天麩羅:ゴマダレがかかったイチヂクの天ぷら。甘みが引き立って美味しい。酒とは合わせづらいが、天ぷらとしては良い。

紫芋の天麩羅:外側のカリカリ感と中のふっくら感が実に良い。甘みが心地好い紫芋。

巻き鮭の天麩羅:白子を鮭の身で巻いている。もうちょっとレア感があっても良いとは思うが、旨味は十分に感じられる。

とろ茄子の揚げ出し:大ぶりの茄子を揚げ出しで味わう。上品なダシが良い感じ。鰹節もたっぷりかかって旨味を存分に感じられる。赤ワインと一緒に味わっても良い感じ。


蛸、タラコのカラスミ仕立て:蛸は旨味が詰まって実に美味しい。タラコも大根と共に食べると上品さが増して面白い。良いつまみ。

中トロ:握りの一品目が中トロ。切れ込みを入れているのが面白い。上品な中トロである。「日高見 弥助」¥1,600と共に寿司を楽しむ。


真鯛:コリっとした食感が心地好い真鯛の握り。身に入れた切れ込みがこちらも良い塩梅。味付けもちょうど良い。

赤身の漬け:鮪の赤身のはずなのに、かなりコクがあってトロのような滑らかさ。実に美味しい漬けの握り。

コハダ:硬めの食感が心地好い。コハダならではのクセがまた良い。酸味はそれほど強くない。

生姜:ガリを合間に提供してくれる。爽やかさと辛みが強いので、好き嫌いはありそうだが、個人的には良いアクセントになった。

烏賊と雲丹:烏賊の中にシャリと雲丹を交互に詰め合わせている一品。雲丹の濃厚さと烏賊の食感が面白い組み合わせ。実に美味しい。

冬瓜と鮑の蒸し物:握りの合間に蒸し物がやってくる。冬瓜と鮑が入っているが、そこに茸も加わって豊かな香りをさせている。純粋に美味しい。

平政:歯応えが良い平政。個人的にはこの日の握りで最も良かった。大きさ、歯応え、芳醇な香りが心地好い。

車海老:車海老のプリプリとした食感を楽しむ握り。熱の入り方もちょうど良く、プロの業を味覚と視覚で堪能。

鮪の頬:鮪の頬肉を炙って握って、スパイシーに仕上げている。旨味が口の中で広がって素晴らしく美味しい。

穴子:白焼きの穴子を握りで食べる。ふっくらとして実に美味しい。店主自慢の握りであることが良く分かる。

味噌汁:〆に至るお椀が提供される。落ち着く味。

かんぴょう巻き:なんと、かんぴょう巻きが揚げてある。揚げることで、酢飯の酸味とかんぴょうの甘みが増す。中々面白い巻き物。

玉子焼き:最後の〆に玉子焼き。ツルっとした舌触りと仄かな甘みが心地好い。

面白い天ぷらと握りが楽しめる店。これで10,000円というのは安過ぎるような気はする。
麻布エリアで接待するにもプライベートで食事を楽しむにも良い店。これから人気店になりそうな感じはある。
日本料理・寿司・割烹・天麩羅 最上 西麻布 (寿司 / 乃木坂駅、六本木駅、表参道駅)
夜総合点★★★★☆ 4.1